療育のなかでよく使われる言葉に「視覚支援」というものがあります。ここえみを利用しているお子さんの多くが、目で見たほうが指示した内容を理解しやすいという特徴を持っています。また、何をしたらよいか覚えておくのが苦手だったり、興味の持てない活動だと続けることが難しいという特徴もあるので、「今なにをするのか、どの順番でやるのか」が見て理解できるような支援ツールを使っています。
絵カードを作る時に注意するポイントはありますか?
家庭と通っている園や学校で同じ絵柄でカードを使うとより一層わかりやすいとは思いますが、違う絵柄や写真のカードであっても継続して同じ場面で使っていくことで、絵カードとしての役割を十分に果たしてくれると思います。見て欲しい部分に注目できるよう、シンプルな絵や写真を使う事も重要です。
日々の生活のなかで使っていく事が大切ですね。
上の写真はここえみの手洗い場です。季節が変わり、長袖を着用する機会が増えたことで手を洗うと袖がびっしょりになってしまうお子さんが多くなります。手洗い場の正面に袖をまくる事を伝える絵カードを掲示し、意識づけを行っています。写真上部のものは歯磨きの手順表です。卓上カレンダーのような形をしていて、一部分を磨いて一枚めくると次に磨く部分が描いてあります。全部めくって絵がなくなれば歯磨きは終了になります。はじめと終わりをわかりやすく伝えるための支援ツールです。
袖まくりの絵は、水道の前に貼ってある事で手洗いの際に注目しやすくなりますね。
この写真は朝の会の一場面です。ここえみでは、一日の流れを説明する時に絵カードを使っています。絵カードを確認することで、次の活動を理解できるようにしています。児童発達、特に朝から利用している年齢の低いお子さんには絵カードを指でタッチするように促しています。これは絵カードに意識をむけてよく注目できるようにする目的とともに一本だけ指を立てる指を分離して動かす動作も目的にしています。はじめは手のひら全体でカードをタッチしていたお子さんも徐々に自分の指先に意識を向けて形を作ることができるようになっていきます。自分の体を思い通りに動かす練習になっている活動です。